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港区のワンルーム投資、空室率は実際どれくらいか。統計の読み方から実務の空室日数まで、投資判断に使える数字で解説

港区のワンルーム投資、空室率は実際どれくらいか

統計の読み方を間違えると、実態を見誤る

港区の投資用マンションについて「空室率は低い」とよく言われます。結論から言えば、その見方自体は大きく外れていません。ただし、港区の空室率をひとつの数字だけで表すのは危険です。なぜなら、空室率には少なくとも三つの見方があるからです。ひとつ目は、住宅・土地統計調査のような“住宅ストック全体”の空き家率。ふたつ目は、管理会社の委託管理物件ベースの入居率。みっつ目は、実際に退去してから次の賃料発生日まで何日かかるかという“空室日数”です。投資判断で本当に重要なのは、最後の二つです。

港区は高級住宅地、オフィス街、再開発エリア、外国人需要の強いエリアが重なっており、東京都内でも賃貸需要が厚い地域です。一方で、物件価格も管理費も高く、空室が長引いたときの損失額は大きくなりやすいという特徴があります。つまり、港区は「空室になりにくい場所」ではありますが、「空室になっても痛くない場所」ではありません。ここを取り違えると、利回りの見え方が一気に変わります。

港区の空室率を考えるうえで、最初に見るべき公的データ

港区の住宅ストック全体を見ると、港区の住宅基本計画では、平成30年住宅・土地統計調査をもとに、港区の住宅総数に対する空き家率は12.4%、そのうち「賃貸用の空き家」は9.7%と整理されています。ここだけを見ると、港区は意外と空き家が多いように感じるかもしれません。ですが、この数字は投資家が通常イメージする「経営上の実空室率」とは違います。募集開始直後の住戸、まだ成約していない住戸、売却や建替えの過程にある住戸なども含まれるため、区分ワンルーム投資の収益管理にそのまま当てはめることはできません。

この点は非常に重要です。公的統計の「賃貸用の空き家」は、地域全体にどれだけ賃貸ストックが余っているかを把握するには有効です。しかし、オーナーが知りたいのは「退去後、どれくらいで埋まるか」「賃料を維持したまま埋まるか」「競合に対して自分の物件が弱いか強いか」です。つまり、港区ワンルーム投資の実態を知るには、ストック統計だけでなく、運営実務に近いデータを重ねて見る必要があります。

首都圏の実務データで見ると、空室率はおおむね4%台が基準線になる

日本賃貸住宅管理協会の第28回「日管協短観」では、2023年度の委託管理物件の入居率は、首都圏で95.6%、全国で94.2%でした。入居率95.6%は、裏返すと空室率4.4%です。これは港区単独の数字ではありませんが、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県を含む首都圏の賃貸管理実務の平均像としては、かなり使いやすい基準です。少なくとも、「首都圏の賃貸住宅の平均的な実空室」は4%台半ば程度で動いている、と読むことができます。

ここから導ける実務的な見方は明快です。港区のように需要が強いエリアで、駅距離、築年数、管理状態、間取り、賃料設定に大きな欠点がないワンルームなら、首都圏平均よりやや良い水準を狙える余地があります。逆に、港区という住所だけを頼りに、相場より高い賃料設定を続けたり、古い設備を放置したり、募集図面の訴求が弱かったりすると、港区であっても平均以下の稼働に落ちることは十分あります。港区ブランドだけで空室リスクが消えるわけではありません。

首都圏空室率と実務データ.png

都心5区の足元はかなり強い

2025年末の稼働率は96.0%

より足元に近いデータとして、SavillsのTokyo Residential Leasing Q4/2025では、東京23区全体の平均稼働率は96.2%、都心5区は96.0%とされています。都心5区の平均賃料は前年比9.0%上昇し、港区は四半期ベースで6.7%の賃料上昇が確認されています。ここでいう都心5区は千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区で、港区はその中に含まれます。つまり、少なくとも2025年末時点の都心部賃貸市場は、供給過剰よりも需要の強さが目立つ局面にありました。

この96.0%という数字は、空室率に置き換えると約4.0%です。もちろん、Savillsの集計は市場全体を完全に網羅した公的統計ではなく、参照用の市場データです。それでも、都心5区の稼働率が95%台後半で推移していることは、「港区のワンルーム投資は、少なくともエリア全体としては弱い市場ではない」と判断する材料になります。特に、同レポートでは都心5区の中でも港区の賃料上昇が強かったため、港区は空室を埋めやすいだけでなく、賃料是正もしやすい局面にあると読めます。

なお、Savillsの2025年Q2レポートでも、東京23区の稼働率は96.5%、都心5区は95.8%とされており、2025年を通じて高い稼働が続いていたことが分かります。さらに、2025年3月から5月にかけて東京23区では6万3200人の純流入があり、外国人の純流入も2万6100人に達していました。賃貸需要の土台として、人口流入がまだ効いているということです。

ワンルーム投資で本当に見るべきは「空室率」より「空室日数」

区分ワンルーム投資で実務上もっとも重要なのは、年間平均の抽象的な空室率より、「一度空いたら何日で次の賃料が発生するか」です。この点で参考になるのが、日本財託のワンルームマンション賃貸実績レポートです。2024年10月から12月の東京23区平均では、解約日から賃料発生までの日数は29.3日でした。前年同四半期は34.8日だったため、5.5日短縮しています。しかも、同レポートでは「貸し手市場」の傾向が強く、ワンルームの平均成約賃料も上昇したとされています。

この29.3日という数字は、港区単独ではありません。しかし、東京23区の分譲タイプ・ワンルームの実務データとしてはかなり示唆的です。年間ベースで単純化すると、1回の退去で約1か月空く計算です。たとえば年間家賃120万円の住戸であれば、1回の空室で約10万円の機会損失になります。ここに原状回復費、広告料、仲介手数料、募集条件の見直しまで重なるため、表面利回りだけで見ていると手残りが想定より大きく削られます。港区は賃料が高い分、空室1か月の金額インパクトも大きいのです。

では、港区ワンルーム投資の実際の空室率はどう読むべきか

ここまでの数字をまとめると、港区ワンルーム投資の空室率は、ひとつの確定値で語るよりも、次のようにレンジで考えるのが実務的です。

公的な住宅ストック統計では、港区には一定量の「賃貸用の空き家」が存在します。これは市場に募集在庫が常にあることを意味します。

一方で、首都圏の委託管理物件ベースでは入居率95.6%、つまり空室率4.4%程度です。

さらに、都心5区の足元の稼働率は96.0%前後です。これは空室率で見れば約4.0%です。

そして、東京23区のワンルーム実務では、退去から賃料発生まで平均29.3日です。年に1回退去がある前提なら、実質的な稼働ロスはかなり限定的とも読めます。

したがって、港区のワンルーム投資について「実際の空室率はどれくらいか」と聞かれた場合、根拠のある答え方としてはこうなります。
港区単独の公的な最新実空室率は一律には公表されていないが、首都圏の管理実務データと都心5区の足元稼働率を見る限り、実務上はおおむね4%前後から4%台半ばを基準に考えるのが現実的で、競争力のある物件はそれより良く、弱い物件はそれ以上に空く
この表現が、誇張も過小評価も少ない見方です。

港区ワンルーム投資の空室率分析.png

港区でも空室が長引く物件の共通点

港区は需要が強いとはいえ、すべてのワンルームが自動的に埋まるわけではありません。空室が長引く物件には共通点があります。

まず多いのが、賃料設定の失敗です。相場より3,000円から5,000円高いだけでも、問い合わせ数は鈍ります。特に港区では「高くても借り手がつく」と思って強気に出し続けるオーナーがいますが、今の賃貸市場は相場データの透明性が高く、比較も早いため、借り手はかなりシビアです。高級感がある立地でも、築年数、駅距離、眺望、管理状態、独立洗面台の有無、宅配ボックスの有無で、募集力は大きく変わります。

次に、募集条件の見直しが遅いことです。賃料を下げたくない場合でも、礼金、フリーレント、広告料、入居時期、外国籍相談、法人契約対応など、先に動かせる条件はいくつもあります。三菱UFJ信託銀行のレポートでも、賃貸マンション市場では、賃料そのものを下げる前に礼金やフリーレントで調整する構造があると指摘されています。つまり、港区で空室を短くしたいなら、賃料だけを見るのではなく、募集条件全体を設計し直す必要があります。

もうひとつは、退去後の立ち上がりが遅いことです。写真が弱い、図面が弱い、設備更新が中途半端、クリーニング完了が遅い、管理会社の仲介会社向け営業が弱い。このような要素は、空室率の数字には出にくいものの、実際の空室日数には直結します。ワンルーム投資では、空室率より“再募集の初速”が収益差を生みます。

港区ワンルーム投資で見るべき指標は、空室率だけでは足りない

空室率だけを気にして物件を選ぶと、判断を誤ります。港区のワンルーム投資では、最低でも次の四つをセットで見るべきです。

第一に、想定賃料に対して何日で決まるか
第二に、退去時の原状回復と広告料を含めた年間の空室コスト
第三に、管理費・修繕積立金・固定資産税を差し引いた実質利回り
第四に、売却時に次の買い手が見込めるかどうかです。

港区は空室率が低めでも、取得価格が高いため、実質利回りがかなり薄くなりやすい地域です。空室リスクが低いことは武器ですが、それだけで投資妙味が決まるわけではありません。特にワンルームは、購入時の価格が高すぎると、空室が少なくても手残りが乏しくなります。だからこそ、港区では「空室率が低いから買う」のではなく、「空室に強いうえで、価格も許容範囲か」で判断する必要があります。

今後の見通し

港区の空室率は急悪化より、二極化に注意

足元の都心部賃貸市場は強く、賃料上昇と高稼働が続いています。2025年末時点で都心5区の稼働率は96.0%、東京23区も96.2%で、人口流入も続いています。大きく見れば、港区ワンルーム投資の需給環境はまだ悪くありません。

ただし、今後は一律に強いというより、二極化が進む可能性があります。駅近、築浅、設備更新済み、管理状態が良い、募集条件の調整が早い物件は引き続き強い。一方で、築古、狭小、管理が弱い、賃料だけ高い物件は、港区でも決まるまでの時間が延びやすくなります。つまり、港区だから安心ではなく、港区の中で“選ばれる物件”かどうかがより重要になる局面です。

まとめ

港区ワンルーム投資の実際の空室率は「低い」が、見方を間違えないことが重要

港区のワンルーム投資は、実際に空室リスクが相対的に低いエリアです。首都圏の委託管理物件ベースでは空室率4.4%、都心5区の足元稼働率は96.0%で、東京23区のワンルーム実務でも退去から賃料発生まで平均29.3日と、需給はかなり締まっています。

ただし、公的な「賃貸用の空き家」統計と、投資実務でいう「実空室率」は違います。港区の数字を正しく読むには、住宅ストック、管理実務の入居率、再募集にかかる空室日数を分けて考えることが必要です。港区という住所だけで安心するのではなく、賃料設定、募集条件、物件力、管理力まで含めて判断することが、結局はもっとも空室に強い投資につながります。


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港区ワンルーム投資の空室率に関するよくある質問

港区のワンルーム投資の空室率は、結局何%くらいと考えればいいですか

港区単独の最新の公的な実空室率が毎月公開されているわけではありません。ただ、首都圏の委託管理物件ベースでは空室率4.4%、都心5区の稼働率は96.0%であるため、実務上は4%前後から4%台半ばをひとつの目安に考えるのが現実的です。競争力の高い物件はそれより良く、弱い物件はそれ以上に空く可能性があります。

港区は空室率が低いなら、どの物件を買っても安心ですか

安心とは言えません。港区でも、賃料が相場より高い、駅距離が遠い、築年数に対して設備更新が弱い、管理状態が悪い物件は空室が長引きます。港区ブランドだけで埋まる時代ではなく、物件ごとの差がそのまま空室日数に出やすくなっています。

空室率と空室日数はどちらを重視すべきですか

区分ワンルーム投資では、空室日数のほうが実務に直結します。東京23区のワンルーム実績では、2024年10月から12月の平均は29.3日でした。空室率だけでなく、退去から次の賃料発生日まで何日かかるかを見たほうが、収支を具体的に読みやすくなります。

港区のワンルーム投資で空室を防ぐには何が有効ですか

賃料設定の適正化、募集写真と図面の改善、礼金やフリーレントなど条件調整、設備更新、外国籍や法人契約への柔軟対応が有効です。空室対策は「値下げ」だけではありません。募集条件全体を設計することが重要です。


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